同じように商品研修を受けているにもかかわらず、少しずつ業績に差が出始めます。
その差を作り出す様々な要因に気付いて修正できれば、業績は向上します。
業績に差が出るのは必ず何かの要因があります。
例えばこんな要因です。
・お客様を無視して一方的に商品説明をしている。
→お客様の目がトローンとなって眠りそうになので、もっと一生懸命説明し続ける。
・お客様が商品を利用した際のメリットが理解されていない。
→お客様にとってはどうでもいい商品という位置づけになり、質問されることがない。
・お客様が自分のこととして聞いていない。
→違う話題を営業マンに振ってきた挙句、話がそれる。
・営業自身が心の余裕がなく、沈黙が怖くて話続ける。
→お客様は、品定めの判断基準に従って不要だと判断し、説明を中断させる。「ゆっくり見させて」など。
・売ることは、商品説明をすることだと思い込んでいる。
→お客様は、自分のことを尊重されていないと感じてその販売員を避ける。
上記にあげた例は、全て私自身が新人時代に体験したことばかりです。
いち早く成果が出ない要因に気付き、修正をかけることが出来れば、商談の雰囲気がガラリと変わり、修正や工夫を加えることそのものが楽しくなります。
私自身が入社後に配属されたのは販促部門でした。
その部門の販促活動は、卸会社でありながら、小売店様から消費者への販促活動です。
効果的な販促を考えるうえで、「消費者に直接販売すること」が求められています。
店頭販売支援や同行販売支援に行くものの、なかなか売れないという体験をしました。
そりゃそうです。スケジュールにある行動をすることが仕事だと思っていましたから。
徐々に売れるようになりましたが、商談のやり方に変化があったからこそです。
結果的に、なんとなく感覚でつかんだこともあれば、「そうだよね」と自分自身の試行錯誤によって導き出した答えもあります。
お客様の立場で考え始めると答えが見つかりやすい。
どういう風に考えていくとよいのかを、冒頭の事例を使って説明します。
「お客様を無視して一方的に商品説明をしている。」
私たちは、関心がない話の内容はなかなか入ってこない。したがって、具体的な商品説明の前に、商品にまつわる”あるある”の不具合や課題を話します。その話の中で、お客様はどういうところに関心を寄せやすいのかを、探りながら→つまり反応を見ながら話す必要があります。
「お客様が商品を利用した際のメリットが理解されていない。」
私たちは、日々の生活やビジネスシーンにおいて、現状よりより良くならないものは不要なのです。不要なものは購入しません。したがって、商品そのものの機能や性能を説明するよりも、「どんなシーンでどのような変化が起こり、お客様にとってどんなより良い変化が起こるのかを話す必要があります。
「お客様が自分のこととして聞いていない。」
私たちは、商品説明を聞くと「どんな商品なのか」を理解するように努めます。お客様が自分のこととして話を聴いていただけるようになるには、「お客様は○○のようなご体験はありませんか?」「そんな時△△になればいいんですよね。」という話の流れにしていくと、自分の経験に当てはめながら、「そうなると便利だなぁ。」と考え始めます。
「営業自身が心の余裕がなく、沈黙が怖くて話続ける。」
私たちは、何かを選択して購入に至るまでに、あれこれ考えています。「どんなシーンで役立つのか?」「本当にこれでよいのか?」「今判断する必要があるのか?」「別のお店でもっといい商品と出会えるのではないか?」など、ご自身の購買シーンを振り返ってみると、様々なことを考えていることに気付きます。
つまり、お客様には考える時間が必要なのです。
それが、沈黙という形になって表れているだけなのです。しかし、無駄な沈黙は避ける必要があります。
「お客様は、品定めの判断基準に従って不要だと判断し、説明を中断させる。」
私たちは、自分にぴったり合う商品を買いたいのです。必要か不要かを判断する基準を持っています。その判断基準を営業マンは知る必要があります。それが分かっていれば、お客様にぴったりの商品を提案することができます。
(ご参考:お客様との双方向の対話で価値観に迫る方法)
「売ることは、商品説明をすることだと思い込んでいる。」
私たちは、お客様の立場を尊重してほしいのです。自由に見て品定めしたり、購入するお店を決める権利はお客様にあるのです。したがって、当然の権利を反故にされたと感じれば、その営業マンやそのお店から離れるのは当然の反応です。
したがって、お客様の立場を尊重しながら商談を進める必要があります。
以上述べてきた通り、お客様の立場で考えることが工夫をこらすことに繋がり、営業活動が楽しくなり、業績も向上していきます。
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